夜、戦に出ていない女子達が配給してくれた雑炊を手に持ちながら各々自由に過ごしている会津兵を見ていた。 敵兵と戦っている時の険しい顔から打って変わって彼らの顔には笑みが浮かんでいる。 温かい食事を食べ仲間と談笑する姿に何故だか虚しさを感じた。 俺にも最近まではああして肩を並べ無駄な話をする仲間がいたんだ。 公方様の為、命を捨てる覚悟のだんだら模様が入った浅葱色の羽織を身にまとい京を駆け抜けたあの日々。