【奏side】

優しく抱きしめてくれた颯くんの腕の中で私は涙を零しながらゆっくりと語り出す。


「私、私ね昔から身体が弱くて、いつも病院にいたの。


いつも同じ光景の病院は、つまらなくて、でもふと聴こえてきた音楽が、


私変えてくれたの_____....」




_あれは五年前


私はまだ中学生で、いつものように病院にいた。


その時は、ちょうど体調も良くて、一時退院してもう治ったんだ!これからは友達と中学校に通えるんだって思った。


お母さんにも良かったねって言われて退院の準備をしていたその時、私は聞いてしまったんだ。





"羽山奏はもってあと5年"







そう話されているのを聞いてしまった。



お母さんもお父さんも静かに泣いてた。






___ああ、なんて神様は残酷なんだ