_夏祭り当日
僕は彼女に言われた通り夏祭り会場に来ていた。
....会場は蒸し暑く、人で混雑している。
そして指定された会場の一角にあるホールまで向かう。
そこには彼女がいた。
いや、正確には彼女しかいなかったんだ。
「あっ、颯くん〜!こっち!」
笑顔で向かってくる彼女は白地に朝顔の浴衣を来てフルートを握っていた。
そして彼女に付いていくと"星空コンサート"と描いてある看板を通り過ぎ、海辺までやってきた。
「えへへ、コンサートまで実はあと1時間あるんだ、嘘ついちゃってごめんね」
そう言って笑う彼女はどこかいつもと違っていた。