「居るよ」 逢だよ。 なんて口に出せない言葉を心の中に隠して、それでもきっと俺は今、とても優しい顔で君を見つめているのだろう。 「あ、そ、そうなんだ…」 ポッと赤くなった頬を隠すように目を伏せて、長い黒髪が逢の顔を隠す。 照れてる…? 「…いいな、那知くんにそんな顔してもらえるなんて。その子が羨ましいなぁ」 …それは、どういう意味なのだろう。 「何で?」