君はいないのに今日も空は綺麗で、僕は泣いてしまった。


歩道橋の上で立ち止まって、逢を見つめた。


「俺さ、逢のこと知りたいって、思ってる」

いっその事、言ってしまおうか。


「いきなり今日あったばかりの奴に言われても、アレなんだろうけど…」

「いつでもどこに居ても…逢が辛い時には何でも聞くから、いつか逢が悲しい顔をする理由教えて欲しい」


俺の言葉に驚いたように目を見開いて、それでも少し嬉しそうに、悲しそうに笑った。

「…すごいね、那知くんは」


「会ったばかりなのに、なんでもわかっちゃうのかなぁ」


そう呟いた彼女の目が、うるうると揺らいでいて泣きそうなんだとわかった。