ぐるぐると頭が回って痛くなった。 「逢」 確かめるように、椅子に座っている俺の前に立って日向と話す逢の手をきゅっと掴む。 「えっ、…な、ちくん?」 少し頬を染めて俺を心配そうに見つめる逢が、無性に愛しくて。 触れた指先が温かくて、触れられて。 泣いてしまいそうだった。 「…大丈夫?」 俺に指を掴まれたまま逢はかがんで俺の俯いた顔を見上げる。 「…ん、大丈夫だよ」