君はいないのに今日も空は綺麗で、僕は泣いてしまった。


「静かにー」

誰よりも大きいその声に矛盾を感じつつも、口を閉じた。


体育館にアナウンスが流れ、先生が合図を送れば、先頭の子が足を動かす。

大きな拍手と吹奏楽部の音楽に合わせて、新入生が体育館に入っていく。


男の先輩が逢をチラチラと見て何か言っているのが視界に入った。

やっぱ逢は、人の目を引く何かを持ってんだよなぁ…

嫌だな、って思ってもしょうがないけど。


逢も、俺と同じこと思っていてくれたらな。

そんなん、叶うはずもないけどさ。


俺が、好きって言ったら、また困った顔して笑うのかな。


なぁ逢、俺は怖いよ。


また、お前が消えるんじゃないかって。

居なくなってしまうんじゃないかって。