「はい、今から体育館へ行って───」


先生が入ってきて、入学式の説明を軽くする。

みんなは見慣れない光景にソワソワしているようだが、俺だけは慣れた様子で教室に居た。


「はい、廊下出てー」

先生の言葉でみんなは近くの人とたどたどしく話しながら廊下に出ていく。


「このクラス、顔整ってるやつ多いなー」

理久がトン、と俺の肩に手を乗せて言った。

まぁ、たしかに。


前の世界でも、他クラスの人たちがそう言っていたような気がする。


「男ではお前が一番かっけぇな、やっぱ」

理久の言葉にくすぐったくなる。


「…んだよ急に、何もやんねぇぞ」