「あ、え?えっと」

逢は何で知ってるんだ、という顔であたふたする。


あぁ、そうか。


俺のこと、まだ、知らないのか…

当然、恋人でも、ない。


俺は逢の通路を挟んで隣の席に座った。


「あ、えっと、高校、一緒だね」

「あ…うん、よろしくね」


にこっと笑うと逢は戸惑いながらも言葉を返してくれる。


これは、初めて…

過去の俺が、経験しなかったこと…