硬いローファーを履いて玄関を出る。


「いってきます」


遠くから小さく母さんの声が聞こえると同時にドアが閉まる。


朝、混乱してモタモタしていたからか、

最寄りのバス停に着くと、いつも乗っていたバスはもう行っていて、次のバスを待つ。


プシューという音を立てて止まったバスに乗り込むと、君の指定席に


誰よりも会いたかった彼女がいた。



「………あ、う…」

名を呼んだ俺に驚いて振り向く君は、やっぱり綺麗だ。