とりあえず、部屋にかけてあった真新しい制服を慣れた様子で着る。

少し、大きい。


なんなんだ……


部屋を出てリビングへ向かうとパンやサラダがテーブルに置いてあった。

「お母さん行けなくてごめんね」

「あ、いや大丈夫だよ」

うちは小さい頃に離婚していて、母子家庭。


父さんのことを小さい頃は恨んだこともあったし、周りと違うことに劣等感を感じたこともあったけど

時々会っているし、離婚ももう珍しい時代ではないから今は別に気にしてはいない。


目の前に差し出された黄身の潰された目玉焼き。

見たことがある光景に混乱する。

たしか、前も入学式の朝ごはんはこれだった気がして。

なんて言うんだっけ、こういうの……


「……デジャブ…」