“なーくんへ” 封筒の真ん中に書かれたそれは、君の“死”を二度経験したあとの俺には厳しかった。 見れば途端に手は震え、鼻がツンと痛くなって、視界は歪み頬が濡れる。 情けないと思いながらも、我慢なんてできやしなかった。 『なーくん』 「ずりぃよ…お前……こんなん、泣くなって言われる方が、無理だっての……」 目を乱暴に拭い鼻をすすった後、封を開け手紙をそっと出す。 その空色の紙には、綺麗な君の字が綴られていた。