「──ぐっ……うっ…がはっ…」
衝撃が走って、道路に何回転したかわからないけれど、打ち付けられた身体中が熱くて痛い。
………のに、
「おい!!救急車誰か呼べ!」
「大丈夫か!?!」
焦ったような悲しげな多くの声は、俺のそばじゃなくて少し離れたところから聞こえてくる。
「………何っ、で…だよぉ…っ」
それがどういう意味かわかった瞬間、世界が真っ暗になった気がした。
そのとき空が歪んだのは、瞳にたまったもののせいだとわかった。
「……く…っ…」
ふらふらと重い体を起こす。
しっかりしない足に力を入れて、人混みをかき分けた先に、やっぱり…
君がいたんだ。

