俺を見つめる彼女の目は、少し赤くなっている。

昨日、あれからまた泣いたのかな…


優しく目じりを指で撫でて、小さな肩を抱き寄せた。

何も言わない彼女の肩は小さく震えていて、さらにぎゅっと強く抱きしめた。



「おなかすいた」



俺の腕の中から聞こえた力ない可愛い声に、小さく笑う。


泣いているのを誤魔化すみたいなその言葉に、愛しさが溢れ出る。


「そうだね」


朝ごはんは、ご飯とみそ汁と、ベーコンを目玉焼きと一緒に焼いたやつ。

それと和風ドレッシングをかけた山盛りのサラダ。


「おいしいね」


「うん、おいしいな」


その会話だけで、もっと飯はうまくなった。