君はいないのに今日も空は綺麗で、僕は泣いてしまった。



学校が終わっていつものバスに乗って帰る。

「ただいま」


まだ誰もいない家に小さく言って部屋に入った。


机の上やロッカーに入っていたたくさんのチョコレートと、手放した鞄はガタンと音を立てて床に転がる。

ケータイの画面を見ると2月14日と表示されていた。

そういえば、今日はバレンタインだっけか。


制服のネクタイをぐっと緩めてベッドに体を預けた。


「…………」


冬を纏った冷たい部屋に身を震わせて、ピッとエアコンをつけると快適な温度になっていく。


それから珍しく帰りの早い母さんが帰ってきて家に賑わいが溢れても、ご飯を食べても、温かな風呂に入っても。

俺の中の何かは、冷たいままだった。