聞くよ、ちゃんと、聞く。 前の世界の、俺の分まで。 「教えて…逢のこと」 ふたりベッドに腰掛けて、悲しげな顔をうかべる彼女の手をきゅっと握りしめた。 「那知の手は、安心する……」 握り返された彼女の柔らかな手に、目を伏せて耳をすませた。 彼女の息遣いだけが聞こえる。 小さく息を吸った後、逢は言葉を発した。 小さくか細い、けれど綺麗な鈴のように綺麗な声。 俺は、君を。 ずっと知りたかった。