「……お前がさ、何を考えてんのか、最近ほんとにわかんねぇ」
「……ん、ごめん」
「……でも、お前が大切にしてるもの全部手放しても、成し遂げたいことがあるんだろ？」
グッと握りしめられた手から、視線をあげる。
「…もう、俺は何も言わねぇよ、お前の人生だしな！」
好きにしろ！、と理久らしい言い方でニッと笑う。
あぁ、心底思う。
「…お前が、俺の友達で良かった…さんきゅ、理久」
照れくさそうにそっぽを向いた彼の顔が、少し歪んで見えたのはいろんな感情が混ざりあって涙に変わったからだ。
そんなの、絶対見せねぇけど。
「いつ辞めんの？」
「もう、今日には監督とキャプテンには言うつもり」
