私とひろくんの話をしているうちに空はオレンジに染ってしまったらしい。


「やば、そろそろ戻るか…」

理久のその言葉に一同は頷いて、ひまわり畑に戻る階段を登っていく。


「……うん、やっぱ綺麗だなー」

再び目にした向日葵は昼間とは違って、オレンジの光を浴び、これもまた綺麗だった。


「俺ここから家近いからそのまま帰るね、四人は駅に向かうよな?」

そう言ったのはひろくんで、私たちは首を縦にふる。


「じゃあ、先に帰るな。今日、楽しかった。誘ってくれてありがとう」

律儀にそう言ってニッコリと笑う。

私を含めたほかの四人もつられて、笑を零した。


「じゃ、逢…またね」

「…あ、うん…またね」


照れくさいと感じながらも、二人手を振りあってひろくんの背中を見送った。



「……ほんとに、付き合ったんだな………」


彼の背中が完全に見えなくなってから、それはぽつりと聞こえた。

「…理久、」


そう口にした理久も、それを心配そうに彼の名を呟く日向も、

切なげな声だったけれど、表情はもっと辛そうでどうしてそんな顔をしているのか、私にはわからない。