次の言葉に二人は信じられないという顔をして、それだけにはとどまらず大きな声を上げた。

「は!?え!!?」


「裕也と、逢ちゃん…?付き合った、の?」


焦ったような顔で理久と日向は、何故か那知を見た。

そんな理久たちにため息をついて、やっぱり精密に造られた笑顔を魅せる。


「………那知……」


小さく呟いた理久の声は、日向に質問攻めを受けている那知とひろくんには聞こえていないし、

多分、聞いたのは私だけだった。


その声は、なんとも言えないようないろんなものを含んでいて。

悲しみ、呆れ、同情、……怒り、さえも…感じられた。


「…はぁ…お前ら、まずは“おめでとう”だろ?」

那知が呆れたような“演技”をして、大きく息を吐きながら二人にそう言った。


「あ、そうだよな、おめでと」

「うん、おめでと〜」

理久、日向が順に祝ってくれた。


「ありがとう」

ひろくんが嬉しそうに笑って、私もそれにならった。