砂浜からひょっこりと出ていた平らな岩に腰を下ろして、二人並ぶ。
ひろくんがここに来て座った理由はなんとなくわかっている。
「……話が、したくて…」
おずおずと話し出したひろくんに、私は隣の彼を見ずに返事をする。
「うん」
「…前も言ったけど、俺、雪白のこと好きなんだ」
「…うん」
「返事…聞かせて、もらえないかな」
…やっぱり、その話だよね。
二人の沈黙の間を風が通り抜ける。
「私、ひろくんといると温かい気持ちになるよ」
話し始めた私の言葉を、彼はゆっくりと静かに聞いてくれる。
「…でも正直、それが“恋”なのかはわからないし、多分そうじゃない」
私の言葉にわかりやすくひろくんが落ち込んだのがわかった。

