例えば、白くて柔らかそうな肌とか
黒くて艶やかな髪とか

それに映えるえんじ色のネクタイとか、


君が纏っている色の全てが輝いて見えていた。


俺の右斜め後ろの席。

なぜだか君に見られているような気になって、授業に集中なんて出来なかった。


目が合えば先に逸らすのはいつも君で

その後にキュッと唇を結んで頬を染める君が可愛くて仕方がなかった。


彼女は雪白 逢。


“あう”なんて珍しいし

すごく綺麗で、君にはぴったりな名前だと思ったんだ。