理久たちの元へ歩きながら話す。
あいつらは今写真を撮ってるみたいだ。
「…逢は裕也と、どう?」
やっぱまだ、わかんないかな。
「どう…かな、ひろくんと居ると温かい気持ちには、なるんだ。それが恋かは、わからなくて」
温かい、気持ちか。
「…その温かい気持ちがさ、いつか逢の中に溜まっていって、“恋”になるのかもしれないね」
俺がそうだったように。
溜まって、積み重なって、気づくと恋をしている。
「だから、付き合ってから恋をするのも、ひとつの形なんだと思うよ」
ゆっくりゆっくり、川に土が堆積していくように。
いつか水から、堆積してきたものが、顔を出す日が来るんだろうね。

