まだ十六年しか生きていないガキで。 きっとこれから素敵な人に出会うこともあるのだろう。 だけど、俺は逢がいい。 どんなに素敵な人に出逢おうと、俺は逢を選んで生きていく。 それはもう、きっと、彼女に恋をした日からどこかで決まっていた。 いや…逢と出逢ってしまったその時点で、 もう、きっと、決まっていたんだと思う。 「…馬鹿、だよなぁ」 浴室に小さく響いた声ははっきりと俺の耳に届いて、お湯の中に頭まで沈めた。