「───そう、か……」


俺、死ぬのか…


なぜだかわからないけれど、こんな普通では考えられないような有り得ない事実を、すんなりと頭は受け入れていた。


「2月15日、逢様が亡くなられた日に、那知様の命は代わりに亡くなります」


「……わかった」


もう、一年もないのか。

母さんには…ほんとに悪いことをしてしまう。

それでも、逢とまた話したかった。


「……本当に、よろしいのですか?」

さっきとは別人のように悲しそうな顔で俺を見つめる黒沼は変なやつだけど悪いやつではないのだろう。