「いただきます」 一人で虚しい夜ご飯なんていつもの事だし、もうとっくに慣れている。 母さんはいつも9時頃に帰ってくるから、料理はまた温め直して食べているみたいだ。 …んー、うまい。 「俺、天才かも」 「あれ…一人でご飯なんて、寂しいですね」 不意に聞こえてきた声に背中がゾワっとした。 「雨宮那知様ですね?」 なんで、今家には俺しかいないはず。 泥棒…とか? いや、泥棒だったら俺に話しかけちゃダメだろ。 「…誰だ」