「じゃ、また明日な」 俺の最寄りのバス停に着いて、逢に手を振ると逢も笑って返した。 バス停と家は結構近くて、あまり歩かなくて済むから助かる。 「ただいま」 まだ母さんは帰ってきてなくて、おかえりという声は返ってこなかった。 真新しい制服を脱いで部屋着に着替える。 夕飯作んねぇと… 必死に働いて俺を育ててくれる母さんを、少しでも楽させたいと料理や家事を始めたのは小学校高学年頃。