俺がそう微笑むと、くしゃりと綺麗な顔を歪ませて、少し大きなブレザーから出ている手で目を拭った。

「那知くんは、最高の友だちだね」


頬を染めて笑う彼女のまつ毛が少し濡れていて、

あの逢が俺の前で泣いてくれたんだなって馬鹿みたいに嬉しくなったのは、君には内緒。


「ん、だろ?逢の一番の男友達は俺がなってやんよ」

自分で言って、自分で傷ついている馬鹿な俺だけど。

もう、いいよ。


逢が今みたいに笑ってくれるんなら。

もういいよ。