いつになく甘い。
こんなに甘くていいの?ってくらい、甘い。


ダメだ、クラクラする。


「せ、瀬那!みんな見てるよ……?」


きっと瀬那はここが食堂で、周りにギャラリーがたっくさんいるこの状況をすっかり忘れて



「知ってる」



なかったぁぁあぁぁぁあ!!!!

え???今更だけど、ちょっと待って?
こんな大勢の前で公開キス出来ちゃうくらい、瀬那は私が好きってことでいいですか?


いや、婚約者だし?
好いてくれてるんだとは思ってたけど、まさかこれ程までに愛されていたなんて……ってか、

じゃあなぜ、卒業まで関わらないでいようと思ってたんですか?私としてはラブラブなキャンパスライフを送りたかったんですけど!!!


無駄に4年近く悶々と過ごしたんですけどぉ!!



「……キス魔は、見られて興奮するんですかね」


「……誰がキス魔だよ。見られて興奮って、キス魔うんぬんじゃなくて変態だろソレ」


「だ、だって……」


「さっきのは、食堂内にいるやつら……特にコイツに牽制の意味も込めて。見られて興奮する趣味はねぇ」



コイツと、瀧を指さしてベッと舌を出した瀬那に、『南 瀬那、意外とガキっぽい面もあるのね!』なんて和葉ちゃんは瀬那の新しい一面に興奮気味。