「佑麻……アンタ、鈍いにも程があるって」
「……ぶっ、瀧……お前まじで……ククッ」
「おい!奏!やめろ、笑いながら哀れみの眼差しで俺を見るな!」
なんのこっちゃ分からない私を取り残して、3人はよく分からない会話を繰り広げる。
何よ。
私だけ仲間はずれ!?
全然 意味わかんない。
こうなりゃやけ食いだ!とばかりにサンドイッチにガブッとかぶりついてモグモグ頬張る。
そんな私に『ったく』とか言いながらポンポンとなだめるように頭を撫でた瀧は
「好きなやつと噂されんの、俺としてはむしろ嬉しいけど」
「……え?」
真っ直ぐに私を見つめて、馬鹿な私じゃすぐには理解できない言葉を放って、いつになく優しく笑った。
───ドクンッ
頭を撫でた瀧の手が、そのまま私の髪を滑って毛先で遊ぶ。
「た、た、瀧……」
変に心臓がうるさくて、必死に言い聞かせる。
違う。ドキドキしてるんじゃない!!!
瀬那以外の男の人に、こうして触れられるのが久しぶりすぎて、変に緊張してるだけだ。
……緊張?なんで?
いやいや、相手は瀧なのに。
なにこれ、どうしよ。すごい恥ずかしい。


