「にしても、本当にあんた達それで付き合ってないとか言うの?」


ジトッと疑いの眼差しを私と瀧に向けた和葉ちゃんに、私は『だーかーらー!』と強めの否定を繰り出そうと口を開いたけれど、



「何の話だよ」


私より冷静な瀧の声に、何だか必死に否定した方が怪しまれるパターン?と、大人しく口を噤むことにした。



「佑麻と瀧の熱愛疑惑が浮上してんのよ、佑麻に聞いても完全否定だけど、ぶっちゃけどうなの?瀧くん」



ニヤッと口角を上げて瀧に詰め寄った和葉ちゃんは、完全に面白がっていて、そんな2人の間に座っている私は机に頬杖ついたまま知らんぷりを決め込む。


だって、瀧に聞いたって答えは同じ。
私と瀧の間に『熱愛』なんてあるわけが……



「あー、佑麻が俺を好きって話か」



「ちっっっっっがぁ〜〜〜〜う!!!!」



どこをどう解釈したらそうなったの?
バカなの?もしかして瀧、日本語不自由なの?



「私がなんで瀧みたいな奴を好きにならなきゃいけないのよ!」



もうほんっとやだ!!!
瀬那が好き、瀬那が好き、瀬那が好き、誰が何と言おうと



「私は南 瀬那が好きなんだから!!!」



…………あ、



やばい。勢いでやばいこと言っちゃったかも。