何も考えずに瀬那に見守られながら上機嫌で小さな箱を、ゆっくり開けて。

そこで初めてフリーズした。



「せ、瀬那、ここここれって!」


「.......なに」


「な、何ってだって!これっ」


「.....気に入らなかった?」


「そ、そうじゃない!すごい可愛いけど」



だって、これはきっと.....。
どんな時に贈るものなのかくらい、バカな私にだって分かる。



「佑麻」


やけに真剣な、だけどどこか緊張を隠しきれない瀬那の心地いい声に名前を呼ばれて、


「な、なに?」


これから言われることを考えて、もしかしたらって期待と、違うかもしれないって不安に胸がドキドキと高鳴って苦しくなった。









「俺と結婚して下さい」


「〜〜っ!!する!します!今すぐして下さい!」



キラキラ光る、エンゲージリング。

ゆるやかなS字ウェーブを描くアームの真ん中で、ダイヤモンドが目一杯の光を採り込んで輝いている。



瀬那と私の、新しいこれからの形。


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