「瀬那、あのね」

「ダメ、言わせない」

「え……!?なんで!」



瀬那へと募った”大好き”が言いたかったのに、なぜか瀬那がそれを止める。

キョトンと首を傾げれば、安定のため息か聞こえた。



「今聞いたら……止まんなくなる。それに、まだちゃんと話し終わってねぇから」


そう言われて、じわり頬が火照る。
止まんなくなる……なんて言われると、少し想像してしまう。止めないで欲しいなんて思いつつも、ここは外でましてや人目のある通りで……


こんな所でキスしてしまったことすら、反省するべきなのだから!と必死に自分を抑え込む。


「まず、試験だけど」


聞こえてきた瀬那の言葉にハッとする。
そうだ!瀬那の試験の結果……


さすがに結果が出たら連絡があるかも!って待ってたけど、一向に連絡がないからほんの少しだけ心配してた。


いや、でも瀬那の事だから、きっと……。
自然と祈るように手を組んでしまう私。


「受かったよ。これで春から高校教師だ」

「……や、やったぁ!!!おめでとう瀬那!ずっとずっと勉強頑張ってたもんね!本当に良かったぁ……」



言い終えた瀬那は嬉しそうに笑っていて、そんな瀬那に周りを気にも止めず大喜びする私を「声でけーよ」とまた笑った。