南くんの花嫁( 猛 烈 修 行 !! )

「瀬那の幸せが、私の幸せなんだよ。瀬那が嬉しいと私も嬉しい。瀬那か悲しいと悲しいし、瀬那が幸せだって思ったら私も……幸せなんだよ」

フッと柔らかく笑って、瀧が私の頭を撫でる。


「幸せそうな顔して他の男の話してくるとか、喧嘩売ってんのか？」

「あ、いや！ごめん……でも」

「分かってる。お前の気持ちはちゃんと分かってる。だから、仲直りしてこい。お前のいつものパワーがあれば怖いもんはねぇだろ？」

「……うん。瀧、ありがとう」


見つめ合って笑い合う。
今、本当の意味で瀧との間に友情が成り立った気がした。


きっと、瀧にはこれからも沢山迷惑かけるけど、この関係だけはずっと続いていくといいな。

……いつか、瀧の彼女。
紹介してもらえる日が来たら……それもまた私の幸せだって言ったら、怒るかな？



「よーし！じゃ、とりあえず帰るか」

「うん」

「家まで送るっ……て」

「え？」


途中で言葉を区切った瀧を見上げれば、瀧は前を見つめたまま「その必要はなさそうだな」って呟いた。


不思議に思って、ゆっくりその視線を追いかければ……