なるほど、友達の輪ってこうして広まるんだ!
なんて、変に感動してしまった。


……のも束の間、


「知ってると思うけど、佑麻ちゃんはもうすぐ結婚するんだ」

「……それが?」

「瀧くん、邪魔しないでね。瀧くんって佑麻ちゃんのこと好きでしょ?」

「……っはぁ!?な、いや、は!?」



なぜか、話が変な方向に向かってしまった。
さっきまでニコニコと愛想よかった茉央ちゃんが、一瞬で手のひらを返したおかげで、

瀧は、不意打ちを食らったらしい。



口をパクパクと何度も金魚みたいに開け閉めして、目は点。まさに。言葉も出ない様子。



「ちょ、茉央ちゃん!へ、変なこと言わないでよ」


”やだな〜”

なんて付け足して、空気を軽くしようと試みけれど。瀧の気持ちを知っている私が、この状況で上手く立ち回れるわけもなく。

……まぁ、今の今まで瀧の気持ちなんて忘れてたんだけど。


「……とにかく!これ以上、佑麻ちゃんが泣くようなことがあったら嫌なの。佑麻ちゃんのこと想うなら、変な気起こさないように!」


ビシッと言い切って瀧を見下ろす茉央ちゃんに、瀧はすっかり怖気付いてしまっている。