血が腕を伝い、赤の線となって生を表現する。その恍惚たる情景を眺めながら、私は満足気に片手に握るカッターナイフを机の引き出しに仕舞い込んだ。


そろそろ、眠る時間だ。

傷口を止血して、後で剥がしても痛くないようにラップと包帯を巻いて布団に潜った。


─────また明日も、生きていられますように。


今日という最高につまらない一日に手を振って、次を迎え入れるための準備をする。スマートフォンのアラームを朝の六時にセットをして、部屋の電気を消す。そして、私は静かに目を閉じた。