「咲誇ちゃん〜、僕酔った〜...」




真浩がフラフラしながら歩いてきた。


乗り物に弱いんだ...。

でも今更酔い止めあげても意味無いよね。


うーん...。




「そこの自販機で何か買ってくる?」


「お願い〜...」




近くのベンチに真浩を座らせて、諒真さんたちは放置して自販機に走る。


一応お金持ってきて良かった。


だけど...酔った人には何がいいんだろう。


定番のスポーツドリンクかな。

それとも水とか?


ん〜...。

ここは間をとってお茶でいっか!


緑茶のボタンを押そうとすると、後ろから手が伸びてきて、コーヒーのボタンが押された。


ガタンと落ちてきたその缶を取り上げるのは、ネイルでゴテゴテの指。


振り向くと...変なギャル集団が立っていた。


茶髪ロングの巻き髪が4人。

どれもこれも同じような顔をしてる。


コーヒーを持っているのは、そのリーダー格みたいなギャル。


クスクス笑いながらそれを振ってみせる。




「あれぇ、お金入ってた。ラッキ〜」


「ギャハハッ!!アリサ、ツイてる〜!!」


「タダで飲めるとかサイコーじゃ〜ん」




...コイツら。


ムカッときたけど我慢して、私は平然を装いながら右手を突き出した。




「私のお金ですけど。返してくれます?」


「はぁ〜?言いがかりはやめてよねぇ〜」




...とぼける気ですか。


もっとムカつく。