見慣れない倉庫街に連れていかれた私。


同じような倉庫がたくさんある。


でも、そのうちのひとつの中から、煌明煌々とした明かりが漏れていた。


その倉庫のドアの前に立ち、青髪の男は私を振り返る。




「ここが俺らの溜まり場」




...だろうね。


溜まり場でもないのにこんなに騒がしかったら逆に怖いし。


っていうか...さ。




「ねぇ、もうこの手離してよ」




私の手は、いまだに握られたまま。


引かれなくても自分で歩けるよ。

子供じゃあるまいし。




「だめだ。逃げるだろ、お前」


「.........そんなわけないじゃん」


「いや、嘘ついてんのバレバレ」




そう言いながら軽く笑い、彼はあたしの手を引いたままドアを開けた。