睨み合う私と二階堂。
...正確には、二階堂は笑っているんだけど。
この男、考えていることが読めない。
でも、ひとつだけ確実なことがある。
...彼は〝楽しいこと〟を思いつく天才。
翠斗を楽しませる『ゲーム』を企画するのは決まって二階堂で、その『ゲーム』というやつが非常に厄介だ。
他人を利用し、混乱させ、最後には絶望に陥れる。
こいつらはそれを楽しむ。
腐った男ども...。
「ククッ...。
いい目をするようになったよな、お前」
「...は?」
「怯えながらも、必死で威嚇してくる野良猫みたいな目。
それが絶望に歪む時が楽しみだな」
「っ、ふざけんなっ...!!」
「ふざけてねぇよ。至って真面目。
せいぜい俺らに跪いて許しを乞えばいい」
「...っ、」
「...さぁて、楽しいゲームの始まりだ」
二階堂がそう呟いたとき。
私の背後から、蓮央の気配がした。
振り向くと...やっぱり、蓮央がこっちに走ってきていた。
「咲誇、待たせたな」
「蓮央っ...」
「...?
どうしたんだよ、そんな泣きそうな顔して」
ふっと視線を上げた蓮央。
二階堂を見るなり、険しい顔つきになった。
無言で、私を庇うように前に立つ。
「お前、咲誇に何しやがった?」
「まだ何もしてねぇって。
ったく、どいつもこいつも疑いやがって」
「...『まだ』?」
「...そう。まだ、何もしてねぇよ?」
二階堂が妖しく笑みを浮かべた、そのとき。


