◇◇




翌朝、目を覚ますと。


ベッドの上で、隣にいる蓮央が寝息をたてていた。


...あれ?

私たち、ソファーにいたよね?


いつの間に移動したんだろう...。


蓮央が、運んでくれたのかな。


ベッドのふわふわした感触に身を任せながら、蓮央の方を向く。


あどけなさの残る彼の寝顔が、なんだか可愛い。


少し寝癖のついた空色の髪を触ると、蓮央の瞼がピクリと震え、薄く開かれた。




「咲誇...?」


「あ...ごめん、起こしちゃった?」


「いや、平気...」




私の手首を掴んだ蓮央に、グイッと引っ張られた。


かと思えば、腰に手が回されて抱きしめられる。


素肌が触れ合って、あったかい。


...けど。

なんかすごく、恥ずかしい...。




「あの...蓮央?そろそろ学校行かなきゃ...」


「嫌だ。行かせねぇ」


「いや、でも...」


「...どうしてもって言うなら止めねぇ。
けど、ここから動けんの?身体痛くね?」


「え...」




そういえば、起き上がろうとすると腰が痛いような...?


ズキズキっていうか、ゴンゴンって言うか。


お腹と腰のあたりが鈍く痛む。