床を綺麗にし、数枚欠けた窓ガラスを何事も無かったかのように閉め、片付け完了。
倒れている男たちがガラス片で怪我をしていないことを確認した後、私たちは学校を出た。
蓮央のバイクの後ろに乗る。
隣では諒真さんが歩たちに絡んでいた。
「歩〜、こっち乗れよ〜」
「死んでも嫌だ。つーか死んだ方がマシ」
「ぐわっ!!
俺のガラスのハートが粉砕した!!」
「わぁ〜!!良かったね、諒真さん。
これで安心してあの世へ行けるよっ!!」
「行かねーよ!?お前らひでぇぞ!!
意地悪すると泣いちゃうからな!!」
「じゃあね〜、僕らはお先に〜」
「頼むから事故るなよ、真浩」
泣き真似をする諒真さんを無視し、真浩は歩を乗せて走り去って行った。
真浩って無免許だったような...?
ま、いっか。
仕方ないよね、うん。
「蓮央、お前らって倉庫戻んの?」
「今日は帰る。あとは圭太に任せた」
「了解」
倉庫、行かないんだ。
疲れたし、休みたいなって思ってたから丁度いいけどね。
蓮央の腰に手を回すと、その上から手を重ねられた。
確かめるように握られ、不思議に思って彼を見上げた。
どうしたんだろ...?
「蓮央?行かないの?」
「...あぁ、行く」
こっちを少しも見ないまま、蓮央はバイクを発進させた。


