蓮央と北苑は、中学の頃、親友だった。


中1のころ知り合った2人はすぐに仲良くなり、そしていつしか最強のコンビとなった。


ついたあだ名は『蛇中の南北』。

通っていた中学の略称が『蛇中』だったらしい。


当時はすごく恐れられたコンビだった。


ずっと2人で戦いながら生きよう。


そう思っていたらしい。



...しかし。



中3に上がった頃、蓮央に彼女が出来た。


その人が絵里さん。

2歳年上の彼女は、王蘭高校の生徒だった。


その頃はまだ【桜蘭】はなくて。


蓮央と絵里さんは知り合ってすぐに惹かれ合い、付き合うようになった。



そして、その年の夏。


蓮央は北苑にこう切り出した。



『俺、もう喧嘩はやめる』



絵里さんが蓮央を止めたらしい。

危ないことはして欲しくない、と。


でも北苑はそれを許さなかった。



『2人でやっていくと約束したのに、お前は俺より女をとるのか?』


『そうじゃない。でも絵里も大切だ』



その日、2人は初めて大喧嘩をして。


結局、蓮央は喧嘩をやめるということを突き通して終わった。



...でも、北苑は諦めきれなかった。



蓮央に内緒で絵里さんを訪ね、彼はこう言った。



『お前のせいで蓮央が苦しんでる』

『自由に生きれなくて困ってる』

『お前なんかいなければいいと言っていた』



それを聞いた絵里さんは、大きなショックを受けてしまって。



次第に心が病んでいき、ついには近くの高層ビルから飛び降りて...


そして、亡くなってしまった。