...さてと。


もう夜遅いし、この諭吉たちでいいホテルにでも泊まりますか。


お世話になります、諭吉さん。



裸銭をポケットにねじ込んで、明るい方へ行こうとすると。




「あれあれあれ〜、かわい子ちゃん発見〜」


「こんな夜中にどこ行くの?」




変な男たちがわらわらと立ちはだかった。


しかも気色悪い笑顔を浮かべた奴ら。



うわ、またかよ...。


私は諭吉が7人もいれば満足なんだけど?




「もしかして家出とかかなー?」


「あ、ならさ、俺らの溜まり場来ない?
ベッドもソファーもあるし寝床完備!!」


「お前それ、あぶねーだろ〜!!」




ギャハハと不快な笑い声で爆笑しながら、さりげなく私の肩を抱く金髪野郎。



マジで触んないでほしい。



けど、今こいつらをやっても、たぶん幹部の奴らがぞろぞろ来るんだろう。


こいつらは【桜蘭】じゃないけど、こういう迷惑な輩がいるなら、やっちゃうか...。


貯金しとくに越したことはないしね。



そう決めた私は、とびっきりの上目遣いと作り声で、金髪野郎の腕に絡みついた。




「なんか楽しそうだね...。連れてって?」




...おえっ、自分でやってて気持ち悪っ。


こんなんでオチる男なんているのか?って思ってたけど、大半はオチるらしい。



この男たちも同様。


ハイテンションで私を連れていってくれた。



自分たちが自ら破滅の道に進んでることなんて...知らずにね。