プラチナブロンドを無視して歩くと、そいつは私のスピードに合わせて発進し始めた。
...ウザイ。
なに、こいつ。
ついてくんなし。
「これからどこ行くんだ?」
「どこでもいいでしょ」
「つれねぇな〜。
つーかどうした、その顔。もしかして昨日の夜泣いた?...まさか失恋とか?」
「......」
無言で睨んでやった。
にも関わらず、プラチナブロンド野郎はヘラヘラと笑う。
「おっ、図星〜?」
「マジでウザイ。どっか行って」
「そう言うなよ。俺が慰めてやろうか?」
「誰がアンタなんか!!」
「おぉ、さっすが。
噂通りの気の強さだな、【睡蓮】のお姫様」
...え?
さりげなく放たれた言葉に、思わず足が止まった。
プラチナブロンドの顔を凝視してしまう。
さっきのヘラヘラ顔とはまるで違う、不敵な笑みを浮かべていた。
「...あれ?違った?
お前は本田咲誇で【睡蓮】の姫だろ?」
「っ...アンタ、一体何者...!?」
「俺の名は北苑海利(キタゾノ カイリ)。
世界でNo.5の【龍嵐】の総長やってんだ」
龍嵐...!?
それって、ヤクザとも深く繋がってるっていう、あの暴走族!?
その総長が、このプラチナブロンド男...?