路地裏から出て、星一つない空を見上げる。


黒く、闇のように染まっている。



月明かりだけでは...この世界の全ては照らしきれない。




...あの日、私が裏切られた日から、3ヶ月。



恋人も、仲間も、居場所も、全てを失った私は、学校をサボりながら街中を転々としていた。


どう生活していたかは...ちょっと言いづらいけど。


ざっくり言うと、私にちょっかいかけてくる男たちを片っぱしから懲らしめ、ついでにお財布の中身も頂戴してる。


そのほとんどが【桜蘭】の奴らのもの。



別にいいよね?


私をこんな状況に追い詰めたのは、あいつらなんだから。


それに、先に手を出してくるのは向こうだし。



これくらいは当然の報い。



...ううん、こんなんじゃ足りないか。



私の味わった絶望に比べれば...


まだまだ可愛いものだよ。




生きていくために喧嘩をしまくっていたら、いつの間にか向かうところ敵無しとなっていた私。


今や相手の動きが読めるようにまでなった。



でもまだまだ弱い。


〝彼ら〟に復讐するためには、もっともっと強くならなきゃいけない。