王蘭高校の地獄の門。
それが裏門。
ここに足を踏み入れた部外者は、無事では済まされない。
...そう噂されるほど、この裏門周辺にはタチの悪いヤンキーがたむろしていて。
私ですら近寄りたくないと思っていたほど。
今日も、お暇なヤンキーたちがたくさんいらっしゃる。
「...何だ、アイツ」
「この学校の奴じゃねぇな」
そんな声には耳を傾けずに、蓮央は私を下ろした。
怖いもの知らずなんだか無知なんだか...。
「帰りは迎えに来るから、連絡しろよ」
「わかった...」
「...そんな顔すんなって。
お前は悪くないんだから、堂々としてればいいだろ?」
「いや、違くて...」
私たちの後ろで、怖い怖いお兄さんたちがすっごい睨んでるんですけど。
私、あの中を通って生徒玄関まで行かなきゃなんですけど。
やっとそのことに気付いたらしい蓮央は、ヘルメットをかぶったままで彼らを見ている。
「...どうしてほしい?アイツら」
「別にどうも...。ただ、絡まれるのは面倒だなぁって思うだけ」
「分かった」
そう言うと、彼はバイクから降りた。


