どうして私がこんな目に遭うんだろう。



奈緒に騙され、彼氏だった翠斗には信じてもらえず、仲間にも見捨てられた。




...私にはもう、失うものなんてないね。





「...ははっ...」





乾いた笑いがこぼれる。



この状況が面白いだなんて思わない。


だけど、何だか笑わずにはいられなかった。



笑えば笑うほど、心がジクジク痛む。



自分自身が何か黒く汚いモノで覆われていく気さえする。




...私は、壊れたのかな。



一瞬で全てを失った私。


楽しくもないのに笑い続けて、でもそれなのに涙は止まらない。



壊れた。


完全に、壊れた。





...でも、壊したのは〝彼ら〟だ。



心がこんなに黒く染まっていくのも、涙と笑いが止まらないのも、全部〝彼ら〟のせいだ。




そう。


裏切り者は私じゃない。



〝彼ら〟のほう。




奈緒に騙され、私を信じず、暴言を吐いて追い払ったのだから。




だから、私は絶対に...





「...許さない」





醜くても、残酷でもいい。




彼らに復讐できるのなら...





私は、何だってしてやる。