あれから1ヵ月間私と潮田は話さなくなった。
…多分私がアイツを露骨に避けたり目を
合わせなくなったから。
何より今回は私が悪いのだ。
あんなに感情的に潮田に八つ当たりしてしまった
のだから当然潮田も怒って呆れているに違いない。
そんな彼に今更どんな顔を合わせるべきか…
あの1ヵ月前からずっと私は潮田に謝れないでいた。
正直今は片思いなんてどうでもいい。
今は…友達としていれるということでも充分な答えだ。
その代わり、私は気まずい時間を埋めようと
今まで以上にバニラ✕ソルティの及川颯汰君との恋を
妄想するよう強制的に頭で命令したんだ。
丁度8:25の今も朝のHRが始まるまで自分の席に座って
バニラ✕ソルティを読んでいるところだ。
はぁ…………
読んでいるけれど、やっぱり集中できない。。
颯汰君は優しくて一途で…しかも顔もいい完璧な人
だから私の中では最高の好きな人のはずなのに……………。
元は颯汰君が好きだったんだ。
でも…………
颯汰君を想う度に潮田が頭に浮かぶのは確かで、
もう颯汰君は卒業なのかもしれない。と
バニラ✕ソルティを読む度に感じる。
そんな光景に見兼ねたのか、珍しく美玲から私の席に
やって来た。

