こんなんでも亮介は一応俺の親友なので、フリーズから解除されたあと、空気を読んで教室へ戻っていった。
それを待ちかねていたかのように、美和が箸を置いて俺を見上げる。
「柊真くん、あのね、来週のデートのことなんだけど」
「あぁ、日曜の?
そういえば行き先決めてなかったっけ」
「うん。でね、私、ちょっと行きたいところっていうか...行かなきゃいけないところがあって、でも日程ずらせなくて...。2時間くらいなんだけど...」
「いいよ。俺でよければ付き合う」
「ほんとに!?良かった!!」
美和のテンションが急上昇。
俺が美和とのデートを放棄するとでも思っていたのだろうか?
ふふふ。
甘いな美和。
俺はそこまで余裕のある男じゃないぞ。
高校生になってやっと経験できたデートというものを、そうやすやすと手放してたまるか!!
そんなことするくらいなら這ってでも行くわ!!貞子みたいに!!
...いやさすがにそれはキモいな。


