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「ありがとうございました!お世話になりました」
玄関先でお見送りしてくれる四人家族に深々頭を下げる。
「また遊びにおいで~。乃愛ちゃんのこと気に入った!」
サバサバしたお姉さんで、昨日の夜はいろんな話して楽しかった。
ご両親もいい人たちで、朝ごはんも昼ごはんも私の好きなメニューをリクエストさせてくれた。
「はい!ありがとうございました!」
もう一度頭を下げてから、私は四人に背を向け家を後にした。
道の角に差し掛かったとき、聞きなれた声が聞こえた。
今は聞きたくない声が。
「待てよ」
角を曲がったところに、性悪が立っていた。



