「こら、翼。裕香さんに向かってバカとはなんだ」


「いや、私のことも庇ってよ」


最低かっ。


「あ、そーだ。二人に話がある」


性悪はそう言って私に視線を移した。


「俺ら付き合うことになったから」


お母さんの表情も真治さんの表情も、変わらなかった。


「いいんじゃないか?」


「そうよ。同棲みたいな感じでちょうど良かったわね」


同棲!?


たしかに同じ家に住んでるけど。


「反対しないの?」


私たち兄妹にあたるのに。


「もちろん。恋愛なんか自由にしていいのよ~」


お母さんが楽天家でよかった。


「裕香がこう言ってるしね」


真治さんがお母さんに甘くてよかった。


「そーだ!付き合ってるなら、同じ部屋で寝なよ」


!?